東海林和志様 協和発酵バイオ株式会社 R&BD部 マネージャー

 上海でサポーティブリスニングを、帰任後にストーリーシェアリングを受講しました。現在の仕事は、複数の新規事業プロジェクトをマネジメントしています。新規事業で、まったく新しいことを始める場合、どうしても何らかの抵抗に遭います。シンプルに「面倒くさい」という人もいれば、性格的にコンサバティブで「無言の抵抗」をする人もいる。そういう人たちに協力的に動いてもらうためには、「頭でわかってもらう」だけでなく、「より深く納得してもらう=腹に落ちる」ようにしないといけません。このようなプロセスに、サポーティブリスニング・ストーリーシェアリングがとても役立っています。

 私はドイツと中国に合計8年ほど赴任していましたが、「合理的な説明だけでは人は動かない」というのは海外でも変わりありません。海外のほうが論理的に理解する人が多いようなイメージがありますが、感覚的に理解する人もたくさんいます。こういうのは、ほんとうに「その人による」という感じがしますね。だからこそ、言葉だけで説得しようとせず、聞く力を使って納得してもらう必要があります。相手にしゃべってもらわないと、腹落ちしてくれないのです。それが研修で学んだ一番のポイントですね。

 自分なりに意識しているのは、これからミーティングを行おうという際に「聞くスイッチを入れる」ということですね。聞くスイッチが入っていない状態でミーティングすると、話す一方になってしまい、「何とか相手を説得しよう、やり込めよう、話を通そう」という感じで力んでしまいます。しかし、聞くスイッチが入っていると、不思議と落ち着いて話せるんですね。相手の話を聞くと、精神的な余裕も生まれるし、一歩引いて客観的に考えられる。だから、お互いが納得できるいいアイデアも思いつくんです。「聞くスイッチ」は、実際に生産性を高めると思います。

 このような「聞く力」のメリットを、私だけでなく周囲の人も理解してもらえると、より生産性が高まると思います。そこで、メンバーの皆さんたちにも研修を受講してもらっています。同じ会話をするのでも、「理解しようとして会話をしている」ということが伝わると、やはり相手も胸襟を開いてくれます。これが共通概念にできたら、生産性が向上するだけでなく、「ともに働いている」という感覚が共有できるように思います。