vol.496 => 「まったく」「ぜんぜん」「かなり」「けっこう」・・・?

□■□■---------------------------2019.4.1----□■□■

 

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クロスロードの辻口です。

 

今日は、

 

     「まったく」「ぜんぜん」「かなり」「けっこう」・・・?

 

というお話です。

 

 

「ウチのダンナは、アタシの言うことを、まったく聞いてくれない」と、ある女性がご立腹です。

 

そのご主人は、「ボクはカミサンの言うことを、かなり聞いてあげている」と自信満々です。

 

これって、どちらかが「ウソ」を言っているのでしょうか?

 

 

人間には、「すぐ思い出せることを過大評価する」という傾向があります。

 

たとえば、凶悪犯罪の数は年々減り続けています。

 

しかし、凶悪犯罪をマスコミがよく取り上げるので、そうした事例がすぐに思い出せる。

 

そうすると、「凶悪犯罪は、ぜんぜん減っていない」「けっこう起きている」ように感じてしまう。

 

 

こうした現象は、マスコミの影響だけでなく、自分自身の行動によっても引き起こされます。

 

「ある特徴的・典型的な出来事を、よく思い出す」ようにすると、それを過大評価するようになるのです。

 

先ほどの女性は、「ご主人が、自分の言うことを聞いてくれなかった時のこと」をよく思い出しているのかもしれない。

 

先ほどの男性は、「自分が、奥さんの言うことを聞いてあげた時のこと」をよく思い出しているのかもしれない。

 

そうすると、実際にはそうでなくても、「まったく聞いてくれない」「かなり聞いてあげている」と感じてしまう。

 

これ、現実を曲解しているわけですが、本人たちにはその自覚がありません。

 

すなわち、先ほどの女性も男性も、「ウソ」を言っているつもりはないのです。

 

 

すぐ思い出せることを過大評価して、現実を曲解してしまう。

 

これは、ビジネスの現場でもよく起きています。

 

「若いヤツらには、まったくロクなのがいない」

 

「ウチの実力じゃあ、ぜんぜん歯が立たないな」

 

「私は、かなりチームに貢献している」

 

「新しい提案を通すのは、けっこう難しいよ」

 

ホントにそうですか? 

 

「過去にあった、ある特徴的・典型的な出来事」をよく思い出していませんか?

 

その「すぐ思い出せること」を過大評価していませんか?

 

そして、現実を曲解していませんか?

 

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