vol.211 => 「教えない教育」について考える・・・

□■□■--------------------------------------2013.6.3-------□■□■

 聞き上手な人が増えれば、世の中はもっとハッピーになる!
【クロスロード辻口の、「聞き出す力」を考察するメルマガ】
                http://www.cross-r.jp/

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●6/14(金) 第30回オープンセミナーを開催します。
 「社長が語る、FC東京の“聞き出す力”を活かしたクラブ運営」。
 お申し込みは、このメールに折り返しご連絡くださいね。
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クロスロードの辻口です。

今日は、

     「教えない教育」について考える・・・。

というお話です。


いきなり自分の話で恐縮ですが、
私は大学卒業後、日本旅行という会社に入社し、
その後に、リクルートグループに転じました。

そこで出会ったのが、有名な
「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」
という、リクルートの社是です。

入社すると、この社是の入ったプレートを手渡され、
机の前に置くように言われます。

この社是を見て、私は正直驚きました。

「これって、『会社は何もしないよ』って
言ってるわけじゃん?」と感じたのです。

私は決して、「何かしてほしい」と
甘えていたわけではありませんよ。

ただ、中途採用者だったので、
ある程度の批判精神というか、
客観的に見る目を持っていたんです。

正直、すごい社是だなあと思いましたし、
これを社是として大っぴらに掲げてしまう会社も、
またすごい会社だなあと思いました。


リクルートって、
よく「人材輩出企業」と言われますよね。

だから、
「よほど人材教育が徹底しているのだろう」と
思われがちです。

でも実際には、
「何かを教えられた」ということは、
ほとんどありませんでした。

(ちなみに、「現在のリクルート」が
どうかはわかりませんよ)

でも、機会は与えられましたね。

たとえば、旅行代理店はクレームが多いので、
クレーム対応のノウハウが身に着いています。

そのため、私は入社後に
クレームに悩んでいる友人に対して、
「こうしたほうがいいよ」ということを
よくアドバイスしていました。

その話を聞いた人事の方は、
「それならお前、社内報でそのノウハウを書いてみないか?」
というお話をくださいました。

すると、今度はその社内報を読んだ方から、
「そのノウハウを、社内講師として話してみないか?」
なんて機会をたくさんいただきました。

普通なら、中途採用で入社したばかりの人に、
「ノウハウを語らせる」なんて機会は、
なかなか与えてくれませんよね。

そういう、「機会を与える風土」が
リクルートにはあると思うのです。

とはいえ、決して、
「お膳立てをしてくれる」という感じではなく、
「やりたかったらやれよ」という感じでしたけどね(^^)。


それで、
「リクルートと似ているなあ」という印象を受けたのが、
早稲田実業高校(早実)野球部の指導方法なんです。

6/14のオープンセミナーで講師を務めていただく、
FC東京の阿久根社長は、早実野球部のご出身です。

早実の野球部は、
「自分(たち)で考えて、自分(たち)なりに練習する」
という方針が徹底されているんですね。

だから、「監督に何か習ったか?」と聞かれても、
選手たちは答えられないそうです(^^)。


とはいえ、
「勝手にやれ」というだけでは、
単なる「放任」です。

「放任」で人が育つなら、何も苦労はありません。

「こうしろ、ああしろ」と教え込むのではなく、
「こういう時、どうすればいいのか」と問いかけて、
考えさせる。

こうした作業が、指導者には必要になるわけです。


たとえば、投手を育成する際にも、
「キャッチャーの指示通りに投げろ」ではなく、
「自分で考えて投げろ」と教えられる。

それも、ただ「考えろ」と言われるわけでなく、
他のピッチャーが投げている時に、
「自分なら、次にどんな球を投げるか」ということを
マンツーマンでシミュレーションさせるそうです。

早実時代「ハンカチ王子」として有名になった、
斎藤佑樹投手も、こうして育てられたそうです。


結局のところ、教育って、
どうしても手間と時間がかかるんです。

その手間と時間を、どの部分にかけるか。

「指導者の思う通りに動くようにする」のであれば、
「こうしろ、ああしろ」と、細かい指示を出すことに
手間と時間をかける。

すなわち、「答えを教える」ことに手間と時間をかける。

「自分で考えて、自ら動くようにする」のであれば、
「こんな時、自分ならどうするか?」と、問いかけることに
手間と時間をかける。

すなわち、「問題を出す」ことに手間と時間をかける。

答えは教えません。

考えることをアシストするために、
ヒントは出しますけどね。


早いもので、もう6月に入りましたね。

14日の、第30回オープンセミナーも迫ってまいりました。

来週金曜日の開催です。

「6月のセミナー、日程の調整ができたら顔を出すよ」と、
言ってくださる方が多かったのですが、
みなさん、その後、ご都合はいかがでしょうか?

いちばん広い会場を予約しましたので、
お席には、まだまだ余裕があります。

お申込みは、このメールに折り返しご連絡くださいね。

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6/14(金)に開催する第30回オープンセミナーのご案内です。

記念すべき第30回は、ゲスト講師に「FC東京」の阿久根社長をお招きして、
「FC東京の“聞き出す力”によるクラブ運営」について語っていただきます。
詳細は ⇒ http://www.cross-r.jp/service/image/seminar20130614.pdf

講師の阿久根謙司さんは、「自ら考え、自ら解決する=自立」を掲げ、
そのためには「考えを押し付ける」のではなく「考えを聞き出す」ことが
大切であると考えています。

まさに「聞き出す力」をクラブ運営に活用されているわけです。

当日は、実際に選手たちが変わっていく様子や、そこでの会話の内容など、
具体的でリアルな「ナマのお話」がたくさんお聞きできると思いますので、
サッカー好き、スポーツ好きの方だけでなく、
組織運営・マネジメント、教育・人材育成などに携わる方々には、
ぜひご参加いただきたいです。

もちろん、若い方々のご参加も大歓迎ですよ。

皆さまのご参加を、お待ちしております(^^)/

●タイトル 「FC東京の“聞き出す力”を活かしたクラブ運営」

●日 時  6/14(金)19:30~21:00 (19:00開場)

●場 所  東京都中央区日本橋人形町1-11-12
      リガーレ日本橋人形町アネックス3F
      最寄駅:水天宮前駅 人形町駅
      昨年までのセミナー開催場所とは異なります。ご注意ください。

●料 金  5000円

●申 込  本メール( mailmag@cross-r.jp )に折り返しご連絡ください。
      メルマガ読者以外の方のご参加も歓迎いたします。

●交流会  セミナー終了後、簡単な交流懇親会を実施します(会費3000円)。
      お申し込み時には、こちらの参加の可否もご連絡ください。

●講師プロフィール 阿久根 謙司(あくね けんじ) 
 東京フットボールクラブ株式会社(FC東京)代表取締役社長
 1961年、埼玉県出身。早稲田大学商学部卒。小学校3年生から野球を始め、
 早稲田実業野球部では1978年春夏甲子園大会に出場、その後、早稲田大学に
 進学し野球部主将(第73代主将)を務め、二度の六大学ベストナインにも
 選出された。1984年、東京ガス株式会社に入社。同社硬式野球部に入部し
 1987年にはドラフト候補となる。1999年、硬式野球部監督に就任。監督退任
 後は社業に専念し、総務部の株主総会担当や研究開発部門の人事担当を経験。
 2011年、東京フットボールクラブ株式会社代表取締役社長に就任。

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●編集後記

 一点、ご連絡があります。
 
 講師の内田雅章さんのご厚意で、5月のオープンセミナーを録音した
 音声データを、5000円にて販売することになりました。

 ご興味のある方は、このメールに折り返しご連絡ください。

 販売方法ですが、ご連絡いただいた方には、まず冒頭10分間の音声を
 お送りします。

 その音声を試聴して、音声などに問題がないと判断していただいた上で、
 購入するかどうかを決定してください。

 指定口座へ入金いただいた後に、全音声をお送りするようにします。

 5月のセミナー、とても面白かったですし、勉強になりましたよ。

 試聴だけでも、お気軽に・・・。

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※ 話をわかりやすくするために、割り切った表現をすることがあります。
  ご容赦くださいませ。

※ 本メールで得たノウハウや考え方、ヒントなどを、転用、転載、転送
  するのは、まったく構いませんし、出典を明示する必要もありません。
  遠慮なさらず、どんどん使い回してください(^^)。

※ 「辻口にひと言!」という方は、本メールにそのままご返信ください。
  そのまま辻口宛に転送されるようになっています。

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┃■発行人 :辻口 寛一
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