vol.195 => 「下心」に火をつける・・・

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【クロスロード辻口の、「聞き出す力」を考察するメルマガ】
                http://www.cross-r.jp/

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明日2/13(水)19:30から今年最初のオープンセミナーを開催します。

タイトルは、
 「問いかける力:自社の商品の必要性を認識させる問いかけの方法」

会場に余裕があるので、まだまだ受付は可能ですよ。

お申込みは、このメールに折り返しご連絡くださいね。

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クロスロードの辻口です。

この週末は、2/13に開催するセミナーの内容を組み立てていました。

お伝えしたいことは、ホントに山ほどあるんです。

でも、そうやってリキんで話すと、空回りしちゃうんですよね。

限られた時間の中で、効率的に理解してもらえるようにするには、
しっかりとセミナーの内容を組み立てなければいけない。

この「組み立てる」という作業は、
「あれもこれも話したい」という気持ちを理性で抑えながら、
話す内容を取捨選択していくという、なかなかツライ作業です(^^;


それで、セミナーの組み立てをしていて思ったのが、
「普通の営業マンって、そもそも『自社の商品の必要性を認識してもらう』
ということを、概念として持っていないのかもしれないな」ということです。

あっ、これ、決してバカにしているわけではありませんからね。

ただ、私も多くの営業マンから営業を受ける立場にいましたが、
「自社の商品が、いかに優れているか」を話す人はたくさんいたけど、
「自社の商品が、いかに私に(当社に)必要か」を語る人は少なかった。

「自社の商品が、いかに優れているか」ということをいくら話しても、
お客さんに必要性を認識させることにはなりません。

「すごく安い」「今しか買えない」なども、
「お客さんの背中を後押しする」ことにはなるけど、
「お客さんに必要性を認識させる」ことにはなりません。


じゃあ、「必要性を認識させる」って、どういうことなのか。

ちょっと、誤解を招く表現かもしれませんが、
意思決定には多くの場合「下心」が働きます。

「下心」っていうと下品な感じがするから、あまり使いたくないんですが、
わかりやすくするために、あえて使いますね。

まあ実際に、AV機器やネットワーク機器は「アダルトコンテンツを見たい」という
「下心」が普及を後押ししたわけですけど・・・(笑)。

でも、「下心」って、そういうイヤラシイ気持ちばかりじゃないんですよ。

「下心」というのは、
「これを買ったら、こうなるんじゃないかな・・・という期待」のことです。

プリウスというハイブリッドカーが売れたのは、
「これを買ったら、環境に配慮している人だと思われるんじゃないかな」
という「下心」が働いたからだと言われています。

プリウスという車は、
「環境に配慮している人」が買うだけでなく、
「環境に配慮していると思われたい人」が買うから、
あれだけ売れたんですね。

まあ、実際によくできているし、いい車だと思いますけどね。


それから、私の部屋から靴屋さんが見えるので、靴の話題にしようかな。

靴を買う時に、純粋に靴が欲しくて、靴を買うでしょうか。

「これを買って、ウォーキングしたら痩せるかな」なんて考えませんか?

あるいは、デートの時など、何かの機会に履くことを想像しながら買うかもしれませんね。

これも、「下心」です。


繰り返しますが、「下心」というのは「イヤラシイ心」ということではなく、
「これを買ったら、こうなるんじゃないかな・・・という期待」のことです。

「必要性を認識させる」というのは、言わば「下心に火をつける」ことです。

「これを買うという行為」と「こうなるんじゃないかな・・・という期待」を、
結びつけることです。


多くのサプリメントは、この「下心」をくすぐって販売に結びつけています。

面白いのが、「下心」に火がつくと、その商品が買いたくてしょうがなくなって、
ちょっと怪しくても、効果があるのかどうかわからなくても、とにかく欲しくて、
「エイヤッ!」って目をつぶって買っちゃうんですよね。

だって、サプリメントなんて、やたらと流されているあの映像には、
「あくまでも利用者個人の感想です」って、ちゃんと書いてあるんですよ(笑)。

効くかどうかなんて、わからないわけですよね。

あのCMは、「サプリメントの効能を伝えるのが目的」というより、
「下心をくすぐることが目的」だと言えるでしょう。


通信販売の教材なんかも、この「下心」をくすぐって販売に結びつけています。

多くの人は、「何かをきっかけにして、自分を変えたい」と思っています。

「この勉強を始めたら、自分は変われるかもしれない」という「下心」に火をつける。

だから、教材のCMは「変わった自分」を連想させるような映像が多い。

そういうのを見ると、買いたくなっちゃうんですよね。

皆さんも、そんな経験ありませんか?

そして、英語とか資格の教材なんかが、机の奥底に埋もれていませんか・・・(^^)


購買活動だけでなく、多くの人の意思決定には「下心」が影響を与えています。

私は以前、人材紹介会社を経営していましたが、
転職しようとする人の意思決定にも「下心」が作用していると考えていました。

「よい会社かどうか」「仕事内容・待遇・ポジションがどうか」などだけでなく、
「個人的な下心が満たせるかどうか」が意思決定に大きく影響するのです。

だから、私はなるべく転職活動のことばかりでなく、
「身の上話」を聞いてあげるようにしていました。

「身の上話」を聞いていると、その人の「下心」がどこにあるのか、
なんとなくわかってくるものです。

そして、「身の上話」を聞きながら、いろんなことを問いかける。

そうすると、その人自身が自分の「下心」に気付いたりするんです。

これが、「必要性を認識させる≒下心に火をつける」ということになるんです。

面白いものです(^^)。


2/13に開催するセミナーでは、こうした具体例をたくさん紹介しながら、
「問いかけ方」についてお話ししますね。


営業って、心理学なんです。「押しの強さ」なんて必要ない。

よく、
「エスキモーに冷蔵庫を売るには、どうしたらいいか?」
「アフリカの裸族に靴を売るには、どうしたらいいか?」
ということを考えさせるエクササイズがありますよね。

一見すると、エスキモーには冷蔵庫を買う必要性はないし、
アフリカの裸族には靴を買う必要性はない。

でも、彼らには何らかの「下心」があるはずです。

それを掘り当てて、冷蔵庫や靴とつなげてあげる。

そうすれば、エスキモーにも冷蔵庫が売れる。裸族にも靴が売れる。

そういうことです。


2/13のセミナー。たくさんの方からお申込みをいただいておりますが、
まだ会場に余裕があります。

このタイトルでお話しするのは、今回しかありません。

なるべく多くの人にお伝えしたいと思っていますので、
お時間がありましたら、ぜひお運びくださいね。



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2013年 第1回目のオープンセミナーのご案内です。

「問いかける力:自社の商品の必要性を認識させる問いかけの方法」

営業マンにとって、お客さんが自社の商品の必要性を自分で考えて、
「欲しい」と思ってくれたら、こんなにラクなことはありませんよね。
適切な「問いかけ」を行うことで、こうしたことが可能になるんです。
では、どうすればよいのか…は、セミナーにて。
営業マン、採用担当者など「意思決定に立ち会う仕事」をしている方は
必見のセミナーです。

現在、続々とお申込みをいただいておりますが、まだまだ受付可能ですよ。

●日時  2/13(水)19:30~21:00 (19:00開場)

●場所  東京都中央区日本橋人形町1-11-12
     リガーレ日本橋人形町アネックス3F
     最寄駅:水天宮前駅 人形町駅
     昨年までのセミナー開催場所とは異なります。ご注意ください。

●料金  5,000円

●申込  本メール( mailmag@cross-r.jp )に折り返しご連絡ください。
     

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さらに、2013年 第2回目のオープンセミナーのご案内です(^^)/

元・東京地検特捜部検事だった現役弁護士さんに、「聞き出す力」について
語っていただきます。

「元検事の企業法務弁護士が語る、シリアスな場面での「聞き出す力」とは?

-通常のビジネスシーンとシリアスな場面とで共通するポイント・異なるポイント
-話を聞く場面による違いと、話してもらう相手の立場による違い
-聞く前にすべきこと
-あるべき姿勢とは
-必要とされる「力」とは

経営者、危機管理担当者の方は必聴のセミナーですよ。
お知り合いの方のご紹介も大歓迎です。ぜひお誘いください。

●日時  3/13(水)19:30~21:00 (19:00開場)

●場所  東京都中央区日本橋人形町1-11-12
     リガーレ日本橋人形町アネックス3F
     最寄駅:水天宮前駅 人形町駅
     昨年までのセミナー開催場所とは異なります。ご注意ください。

●料金  5,000円

●申込  本メール( mailmag@cross-r.jp )に折り返しご連絡ください。


講師プロフィール
渋谷 卓司(しぶや たかし)

西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士
1990年慶應義塾大学法学部卒業。
2004年ジュネーブ国際大学経営学修士課程修了(MBA)。

1992年4月から2010年3月まで検事。その間、東京地検特捜部等で犯罪捜査・
刑事裁判立会等の検察実務に従事したほか、法務省刑事局付、外務省在ジュ
ネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として、各種条約交渉を中心とする
国際業務に、法テラス本部総務部財務会計課長、法務省法務総合研究所総務
企画部副部長として、予算等管理部門の総括業務に、従事。所属組織、国籍
を問わず、あらゆる立場の人から様々な話を聞く経験を有する。

2010年4月、弁護士に転職し現在の事務所に入所。検事時代の経験を生かし、
国内外で生じる企業の役員や職員による不正や不祥事に関する事実調査・当
局対応・関連紛争対応・再発防止策の提言などの危機管理・コンプライアン
スを中心とする企業法務に従事。各種企業の第三者委員会委員のほか、総務
省参与、福島原発国会事故調協力調査員等を歴任。著書(共著)に「実例解説 
企業不祥事対応-これだけは知っておきたい法律実務」(経団連出版)、「ビジ
ネスパーソンのための企業法務の教科書」(文春新書)。


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●編集後記

おかげさまで、「第2回目のオープンセミナー」は大反響です(^^)。

「元検事の弁護士さんに『聞き出す力』について話してもらうなんて、
よく思いついたねえ」なんて、着想をホメてもらったり・・・。

お申込みも、続々です。

このセミナー、満席が予想されます。お申込みは、お早めに・・・。

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※ 本文中、話をわかりやすくするために割り切った表現をしています。
  ご容赦くださいませ。

※ 本メールで得たノウハウや考え方、ヒントなどを、転用、転載、転送
  するのは、まったく構いませんし、出典を明示する必要もありません。
  遠慮なさらず、どんどん使い回してください(^^)。

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